大阪信愛生命環境総合研究所(OSILES)

論文集「人と環境」(Human and Environment)

Vol. 3 (2010)

2010.12.31

女子学生の生活習慣改善に向けての一考察 [論文]
徳珍温子・小坂やす子 pp. 1-6 [要約][全文PDF]
 
「障害者の就労支援」観についての一考察 [論文]
徳珍温子・小坂 やす子・小林 菜穂子 pp. 7-10 [要約][全文PDF]
 


女子学生の生活習慣改善に向けての一考察 [論文]

徳珍温子・小坂やす子 pp. 1-6

生活習慣改善を目指した実践可能なプログラムを開発するための基盤 づくりを目的に、近畿地方の女子学生を対象に平成17年・18年・19年 と3回の調査を実施した。第1回目調査では、自己の健康生活習慣を自 己モニタリングし、セルフエスティーム・セルフエフィカシーの変化 を調査した。その結果、生活習慣の自己評価を継続的に取り組むこと により、間食をしないについては生活習慣の改善される傾向がみられ たが、セルフエスティームについては変化が観察されなかった。 セルフエフィカシーについては運動習慣に有意差がみられ、 適正体重についても有意傾向が観察されたが、行動変容の一助となって いることと結び付けて考えるには、不十分であった。 第2回目調査と第3回目調査では、先の健康生活習慣の自己モニタリングと セルフエスティーム及びセルフエフィカシーに、あいさつを意図的に組み込んだ 「あいさつワーク」を取り入れた。その結果、生活習慣を確認する作業だけにとどまらず、 生活習慣の改善をめざすという目的を助長するという可能性が示唆された。 しかし、セルフエスティームの向上及びセルフエスティームの向上の促進となる セルフエフィカシーについては、変化が観察されなかった。

キーワード:女子学生・健康生活習慣・あいさつ・セルフエスティーム・セルフエフィカシー

Atsuko Tokuchin and Yasuko Kosaka:
An Investigation into Ways to Improve Life Habits of Female Students.
Human and Environment Vol. 3 (2010)


「障害者の就労支援」観についての一考察 [論文]

徳珍温子・小坂 やす子・小林 菜穂子 pp. 7-10

様々な障害者就労支援実践の経歴や知識,専門分野における価値観に 関する教育が少ない女子学生の「障害者の就労支援」観を明らかにし, 今後の障害者就労支援教育に寄与することを目的に障害者の就労に ついての仮想事例に対するレポートを質的に分析した。 その結果,【私の役割】【福祉専門職・従事者の役割】【社会と障害者の関係】 【本人の意志を尊重】の4コアカテゴリーが形成された。 役割においては,「障害者の就労支援」について「~あげる」自己の外なる対象と捉える一方, 関係においては,障害者の意志を尊重し,環境を整えることが 「障害者の就労」につながるというダブルスタンダードが 女子学生の「障害者の就労」観にあることが示唆された。

キーワード:女子学生・身体障害者・就労観・役割・関係

Atsuko Tokuchin, Yasuko Kosaka and Nahoko Kobayashi:
An Investigation into Perceptions of Job Assistance for the Disabled.
Human and Environment Vol.3 (2010)
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